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【2DCADを使うノートパソコンのおすすめ2025年最新版】スペック選び徹底ガイド

CAD設計をする方にとって、適切なノートパソコン選びは作業効率に直結する重要な課題です。特に2DCADを使用する場合、必要なスペックや選ぶべきポイントが3DCADとは異なります。

このガイドでは、2DCADを使うノートパソコンのおすすめモデルや、建築CAD向けの特徴、そして予算別の選び方まで幅広く解説します。安価なモデルから中古パソコンの活用法、プロフェッショナル向けの高性能ワークステーションまで、様々な選択肢をカバーしています。

CPUやメモリ、ストレージといった基本スペックの選び方はもちろん、画面サイズや解像度、冷却システムなど、CAD作業を快適にする重要な要素も詳しく説明します。初心者の方からプロの方まで、それぞれの用途や予算に合った最適なCADノートパソコンを見つけるためのガイドとしてお役立てください。

記事のポイント

  • 2DCADに最適なノートパソコンの推奨スペックがわかる
  • 予算別のCADノートパソコンの選び方がわかる
  • 建築CAD向けノートパソコンの特徴や違いがわかる
  • 中古や安価なモデルを活用する方法がわかる
目次

2DCADを使うノートパソコンのおすすめモデル5選

  • 2D CAD推奨スペックとは
  • CADノートパソコンのスペック選び方
  • 建築CADパソコンおすすめモデル
  • 安いCADノートパソコンの選択肢
  • 中古CADノートパソコンの活用法

2D CAD推奨スペックとは

2DCADソフトを快適に動かすには、適切なスペックのノートパソコンが必要です。3DCADより軽量なため、過剰なマシンは必要ありません。

CPU選びでは、Intel Core i3以上またはAMD Ryzen 3以上が最低ラインです。特に第12世代以降のIntelプロセッサーは処理性能が向上しています。より快適に使うなら、Core i5やRyzen 5以上がおすすめです。

メモリは最低8GB、できれば16GBを確保しましょう。複数ファイルを同時に開いたり、他アプリと併用する場合には16GB以上あると作業効率が上がります。

ストレージはSSD搭載モデルが必須です。HDDより読み書き速度が速く、起動時間も短縮されます。容量は256GB以上、できれば512GB以上が安心です。

グラフィックスは、2DCADなら内蔵GPUで十分対応できます。Intel Iris XeやAMD Radeon Graphicsなどの最新内蔵GPUで問題ありません。

ディスプレイは作業効率に直結します。解像度はフルHD以上、画面サイズは14インチ以上、できれば15.6インチあると作図作業が快適です。

これらの条件を満たすノートパソコンは10万円前後から入手可能です。極端に高価なモデルより、バランスの取れたスペックを選びましょう。

CADノートパソコンのスペック選び方

CAD用ノートパソコン選びでは、使用目的に合わせた適切なスペックを見極めることが大切です。

CPU選びでは、単一コアの性能が重要なので、クロック周波数の高いものを選びましょう。Intel第12世代Core i5や、AMD Ryzen 5 5000シリーズ以降がバランス良好です。

メモリは8GBでも基本作業は可能ですが、16GBあれば複数図面の同時作業も快適です。将来的なアップグレードができるモデルも選択肢に入れましょう。

ストレージはNVMe対応のSSDがおすすめです。容量は用途によりますが、最低256GB、できれば512GB以上あると安心です。

グラフィックスは2DCADなら内蔵GPUで十分ですが、時々3D表示する場合はエントリークラスの専用GPU(GeForce MX550など)があると便利です。

ディスプレイは15.6インチ以上、フルHD以上の解像度が快適です。IPS方式のパネルなら色再現性も良好です。

バッテリー駆動時間も外出先での使用を考えると重要です。8時間以上持つモデルが理想的です。

接続ポートも確認しておきましょう。USB Type-C、HDMI、SDカードリーダーなど、必要な外部機器を接続できるかチェックします。

これらのポイントを総合的に判断して、自分の使用シーンに合ったモデルを選びましょう。

建築CADパソコンおすすめモデル

建築CAD向けノートパソコンは安定性と信頼性が重要です。作業効率を上げるために、適切なモデル選びが大切です。

Lenovo ThinkPad P16vは高評価のモデルです。AMD Ryzen 7 PROプロセッサー、16GBメモリ、512GB SSDを搭載し、2DCADと軽い3DCAD作業に対応します。ThinkPadならではの堅牢性と、長時間安定動作する冷却システムが特徴です。15.6インチWUXGA画面で図面の細部も鮮明に表示できます。価格は約20万円からです。

Dell Precision 3590もおすすめです。Intel Core i5とRTX A500 GPUで、2DCADだけでなくRevitなどの3D建築ソフトも快適に動作します。高い信頼性とCADソフトの互換性が魅力です。価格は21万円前後です。

予算を抑えたいなら、ASUS VivobookシリーズがコスパがいいでしょうAMD Ryzen 7搭載モデルで約10万円と手頃ながら、必要十分な性能を備えています。

Mouse DAIV S4も人気です。Core Ultra 7プロセッサーとRTX 4060 GPUで高性能ながら、軽量で持ち運びも便利です。カスタマイズ性も高く、メモリや容量を自分好みに設定できます。

これらのモデルから、予算と必要な性能を考慮して選ぶといいでしょう。

安いCADノートパソコンの選択肢

予算を抑えながらもCAD作業ができるノートパソコンを探している方のために、コストパフォーマンスの高いモデルを紹介します。

THIRDWAVE DX-R3はドスパラのコスパモデルで、10万円以下で購入可能です。Intel Core i3-1315UやAMD Ryzen 3搭載モデルがあり、16GBメモリと500GB SSDという構成で2DCAD作業には十分な性能です。第13世代CPUの採用で、以前の低価格モデルより処理性能が向上しています。

ASUS Vivobook 15も約10万円で、AMD Ryzen 7 4800Hプロセッサー、8GBメモリ、512GB SSDを搭載しています。内蔵Radeon Graphicsで2DCAD作業を快適にこなせます。1.7kgと比較的軽量で、バッテリーも6時間以上持続するため、外出先での作業も可能です。

Lenovo IdeaPad Slim 5も選択肢の一つです。Intel Core i5-12450Hと8GBメモリ、512GB SSDで9~10万円程度で購入できます。1.38kgと軽量で、14インチの持ち運びやすいサイズながら、必要十分な性能を備えています。

mouse A4シリーズは更に予算を抑えたい方向けで、AMD Ryzen 3プロセッサー搭載モデルなら6万円台から購入可能です。8GBメモリと256GB SSDという最低限の構成ですが、Jw_cadなどの軽量2DCADソフトの実行には問題ありません。

これらの安価なモデルを選ぶ際のポイントは、CPU性能、メモリ容量、ストレージタイプです。2DCAD用途ではCore i3/Ryzen 3以上のCPU、8GB以上のメモリ、そしてSSDストレージが快適動作の最低条件となります。

安価なモデルでもWindows 11は快適に動作しますが、将来的なアップグレードの可能性も考慮するといいでしょう。メモリスロットが空いているモデルなら、後から増設して性能アップが可能です。

長期的な使用を考えるなら、ビジネスモデル(ThinkPadやVIVOなど)のエントリークラスも検討価値があります。耐久性が高く、長く使えるためトータルコストでは意外とお得になることもあります。

中古CADノートパソコンの活用法

中古ノートパソコンはCAD作業用として大きなコストメリットがあります。特に数年前のハイエンドモデルやワークステーションクラスのノートPCは、新品の中級モデルと同等の性能を半額程度で入手できることも珍しくありません。

中古CADノートパソコンを探す際におすすめなのが、Lenovo ThinkPad Pシリーズです。例えばThinkPad P52やP53などの少し前のモデルでも、Intel Core i7プロセッサー、16GBメモリ、SSD、NVIDIA Quadro GPUを搭載したモデルが6~10万円で見つかります。これらは新品で購入すると20万円以上するため、かなりのコスト削減になります。

HP ZBookシリーズも中古市場で人気です。ZBook 15 G5やG6クラスのモデルは、CADワークステーションとして設計されており、耐久性が高く、長く使用できます。8~12万円程度で見つかることが多いです。

Dell Precisionシリーズも優れた選択肢です。Precision 7530などは特にCAD用途に最適化されており、7~12万円程度で購入可能です。

中古品を選ぶ際の注意点としては、バッテリー状態と保証期間です。中古ノートPCはバッテリーの劣化が進んでいることが多いため、交換可能かどうかを確認するか、交換費用も計算に入れておきましょう。また、信頼できる中古販売店で購入し、最低でも3ヶ月以上の保証がついているモデルを選ぶと安心です。

中古パソコンの選定では、CPUは第8世代以降のCore i5/i7、メモリは16GB以上、ストレージはSSDを搭載したモデルを選ぶのが基本です。特にCADソフトではストレージの速度が作業効率に影響するため、SSD搭載は必須条件といえます。

中古ノートPCを購入したら、最初にクリーンインストールしてOSを再セットアップするのがおすすめです。これにより前ユーザーの設定や不要なソフトウェアを一掃でき、最適な状態で使い始められます。

メモリやストレージの増設も検討しましょう。多くの中古ノートPCはアップグレード可能で、8GBから16GBへのメモリ増設や、大容量SSDへの換装でさらに性能を引き上げられます。これらのアップグレードは比較的低コストで実施でき、長期的に使えるマシンになります。

適切に選んだ中古CADノートパソコンは、予算を大幅に抑えながらも、必要十分な性能で2DCAD作業を快適にこなせる優れた選択肢となります。

2DCADを使うノートパソコンのおすすめポイント

  • 3DCADノートパソコンとの違い
  • 建築CAD向けノートパソコンの特徴
  • 予算別CADノートパソコン選び
  • 安い建築CADノートパソコン活用術
  • 長く使えるCADパソコンの条件

3DCADノートパソコンとの違い

2DCADと3DCADでは必要なパソコンスペックに大きな違いがあります。この違いを理解することで、自分の用途に合った適切なマシンを選べます。

最も大きな違いはグラフィックス処理能力です。2DCADは基本的に平面上の線や図形を扱うため、内蔵グラフィックス(Intel Iris XeやAMD Radeon Graphics)でも十分対応できます。一方、3DCADでは立体物の表示や回転、レンダリングなど複雑な処理が必要となるため、NVIDIA GeForce RTX 3050以上や専門的なNVIDIA RTX A2000などの専用GPUが必須となります。

CPU性能においても要件が異なります。2DCADならIntel Core i3やRyzen 3クラスから対応可能ですが、3DCADではCore i7やRyzen 7以上の高性能CPUが推奨されます。例えば、AutoCAD LTなどの2Dソフトは第11世代Core i5でも快適に動作しますが、Revitなどの3DCADソフトでは第12世代Core i7以上が望ましいでしょう。

メモリ容量も大きく異なります。2DCADでは8〜16GBで十分ですが、3DCADでは最低16GB、推奨32GB以上が必要です。大規模な3Dモデルを扱う場合、メモリ不足によるフリーズやクラッシュを防ぐために十分な容量が重要です。

ストレージについては、両者ともSSDが推奨されますが、容量に違いがあります。2DCADなら256〜512GBでも足りますが、3DCADでは大容量のデータを扱うため、512GB〜1TB以上が望ましいでしょう。

冷却システムにも違いがあります。3DCAD用のノートパソコンは高負荷時の熱対策がしっかりしており、放熱性能に優れた設計になっています。例えば、Dell Precision 3590やHP ZBook Firefly G10などのワークステーションモデルは、長時間の高負荷作業でも安定して動作する冷却設計が施されています。

価格帯も大きく異なります。2DCAD用なら10万円前後から選択肢がありますが、3DCAD用は最低でも15万円以上、本格的な利用なら20〜30万円クラスが一般的です。

バッテリー持続時間も違いがあります。2DCAD用は一般的なノートPCと同等の6〜8時間程度持つモデルが多いですが、3DCAD用は高性能GPUの消費電力が大きいため、バッテリー駆動時間は3〜5時間程度と短くなる傾向があります。

これらの違いを理解した上で、主に使うCADソフトや作業内容に合わせて適切なノートパソコンを選ぶことが、コストパフォーマンスと作業効率を両立するポイントです。

建築CAD向けノートパソコンの特徴

建築CAD向けのノートパソコンには、一般的なCAD用途とは異なる特徴があります。建築設計では正確さと細部の表現が重要なため、それに適したスペックと機能が求められます。

まず画面サイズと解像度が重要な要素です。建築CADでは細かい寸法や詳細な図面を扱うため、15.6インチ以上の大画面が望ましいでしょう。解像度はフルHD(1920×1080)以上、できればWUXGA(1920×1200)やWQHD(2560×1440)のような高解像度ディスプレイがあると、より詳細な図面作業が可能になります。例えば、Lenovo ThinkPad P16は16インチWQXGA(2560×1600)ディスプレイを搭載し、広い作業スペースを確保できます。

色再現性も重要です。建築パースや内装デザインなどでは正確な色表現が必要となるため、sRGBカバー率が高い(90%以上)IPSパネルを搭載したモデルが適しています。ASUS ProArt StudiobookやDell XPS 15などは優れた色再現性を持つディスプレイを搭載しています。

建築CADでは2Dと3Dの両方を使うケースが多いため、グラフィックス性能も重要です。NVIDIA GeForce RTX 3050以上、またはNVIDIA RTX A2000などのプロフェッショナル向けGPUが搭載されたモデルが理想的です。特にRevitやArchiCADなどのBIMソフトを使用する場合は、専用GPUは必須と言えるでしょう。

耐久性と信頼性も建築CAD用ノートパソコンの重要な特徴です。建設現場への持ち込みや長時間の連続使用も想定されるため、堅牢な筐体と安定した冷却システムを持つモデルが望ましいです。Lenovo ThinkPadシリーズやHP ZBookシリーズは、MIL規格準拠の耐久性テストをクリアした堅牢な設計が特徴です。

拡張性も考慮すべきポイントです。外部モニター接続用のHDMIやDisplayPort、大容量データの転送に便利なThunderbolt 4などのポートが充実しているモデルが使いやすいでしょう。現場でのプレゼンテーションなどを考えると、これらの接続オプションは非常に重要です。

バッテリー駆動時間は、現場での作業を考えると6時間以上持つモデルが理想的です。ただし、高性能GPUを搭載したモデルはバッテリー消費が早い傾向があるため、外出先での長時間使用を想定している場合は、モバイルバッテリーやACアダプターの携帯も検討しましょう。

これらの特徴を考慮すると、建築CAD向けとしては、Dell Precision 3580、HP ZBook Power G10、Lenovo ThinkPad Pシリーズなどのプロフェッショナル向けワークステーションが特におすすめです。これらは高性能と信頼性を兼ね備え、建築設計の複雑な要求に応える性能を持っています。

予算別CADノートパソコン選び

CAD用ノートパソコンは予算によって選択肢が大きく変わります。ここでは予算帯別におすすめのモデルと特徴を解説します。

【10万円以下の予算帯】 この価格帯では、主に2DCAD向けの基本的なスペックのモデルが選択肢となります。THIRDWAVE DX-R3(Dospara)は約8万円から購入可能で、Intel Core i3-1315UプロセッサーとIntel UHD Graphicsを搭載し、2DCADの基本作業に十分対応できます。メモリは8GB、ストレージは256GB SSDが標準ですが、カスタマイズで16GBメモリ/512GB SSDに増強すると約9.5万円になります。

mouse A4シリーズもコストパフォーマンスに優れており、AMD Ryzen 3-3250Uプロセッサーと8GBメモリ、256GB SSDで約6.5万円から購入できます。Jw_cadなどの軽量CADソフトに最適です。

ASUS Vivobook 15も約9.5万円で、AMD Ryzen 5-5500UプロセッサーとAMD Radeon Graphics、8GBメモリ、512GB SSDという構成が魅力です。

【10〜15万円の予算帯】 中級者向けの選択肢が増えるのがこの価格帯です。Lenovo IdeaPad Slim 5は約12万円で、Intel Core i5-12500Hと16GBメモリ、512GB SSDを搭載し、内蔵Intel Iris Xeグラフィックスで2DCADはもちろん、軽めの3DCAD作業も可能です。

HP Pavilion 15は約13万円で、Intel Core i7-1255U、16GBメモリ、512GB SSD、そしてNVIDIA GeForce MX550という専用GPUを搭載しており、より高度なCAD作業にも対応できます。

Dell Inspiron 16は約14万円で、15.6インチよりやや大きい16インチのフルHDディスプレイと、Core i7-1355U、16GBメモリ、512GB SSDという構成で、広い作業スペースを確保できます。

【15〜20万円の予算帯】 本格的な3DCADも視野に入れたい方向けの予算帯です。Mouse DAIV 4Pは約17万円から、Intel Core i7-12700Hと16GBメモリ、512GB SSD、そしてNVIDIA GeForce RTX 3050という高性能GPUを搭載し、本格的な3DCAD作業に対応します。

Lenovo ThinkBook 16は約18万円で、AMD Ryzen 7 5800H、16GBメモリ、512GB SSD、AMD Radeon RX 6600Mという性能と、16インチの大画面ディスプレイが魅力です。ビジネス向けモデルのため信頼性も高いです。

【20万円以上の予算帯】 プロフェッショナル向けのハイエンドモデルが選べる価格帯です。Dell Precision 3580は約21.6万円で、Intel Core i5-1340P、16GBメモリ、512GB SSD、NVIDIA RTX A500 GPUという構成で、安定した高性能と信頼性を兼ね備えています。

HP ZBook Power G10は約25万円で、Intel Core i7-13700H、16GBメモリ、512GB SSD、NVIDIA RTX A2000という構成で、大規模な3DCADやレンダリング作業にも対応する性能を持っています。

Lenovo ThinkPad P16は約28万円からですが、Intel Core i7-13700HX、32GBメモリ、1TB SSD、NVIDIA RTX A3000という圧倒的な性能と、16インチWQXGAディスプレイによる広い作業スペースが魅力です。

どの予算帯でも、CAD作業に必要な性能のバランスを考慮し、自分の主な用途(2D/3D)や作業内容に合ったモデルを選ぶことが重要です。予算に余裕があれば、将来的な拡張性や長期的な使用を見据えて、一段上のクラスを選ぶのも良いでしょう。

安い建築CADノートパソコン活用術

予算を抑えつつも、建築CAD作業を効率的に行うためのノートパソコン活用術をご紹介します。安価なモデルでも工夫次第で十分に実用的に使うことができます。

まず、10万円以下で入手できる安価な建築CAD向けノートパソコンとしては、THIRDWAVE DX-R3(約8万円〜)やASUS Vivobook 15(約9.5万円〜)などがあります。これらは基本性能は十分ですが、より快適に使うためのコツがあります。

最も重要なのはメモリの増設です。初期状態で8GBのメモリを搭載している機種でも、多くの場合16GBへの増設が可能です。メモリモジュール自体は5,000〜8,000円程度で購入でき、多くのモデルではユーザー自身で比較的簡単に交換できます。メモリ容量を倍にすることで、複数の図面を同時に開いても動作が重くなりにくくなります。

次にストレージの最適化です。安価なモデルでもSSDを搭載していることが多いですが、容量が256GBと少なめの場合があります。この場合、OSとCADソフトはSSDにインストールし、データファイル用に外付けHDD(1TB・5,000円程度)を追加するという方法が効果的です。重要な図面データはクラウドストレージにバックアップすることも忘れないようにしましょう。

ディスプレイが小さめのモデル(14インチなど)の場合は、外部モニターの活用がおすすめです。中古や型落ちの24インチフルHDモニターなら1万円前後で入手可能で、作業効率は格段に向上します。接続はHDMIやDisplayPortを使用し、デュアルディスプレイ環境を構築するとより効率的です。

冷却対策も重要です。安価なノートパソコンは冷却システムが簡素なことが多いため、長時間の高負荷作業ではパフォーマンスが低下する場合があります。ノートPCクーラー(1,500〜3,000円程度)を使用すると、放熱効率が向上し、性能低下を防げます。

ソフトウェア面では、不要なアプリケーションを削除することで、システムリソースを効率的に使えます。特にプリインストールされている広告アプリなどは削除して構いません。また、Windows自体の最適化設定(視覚効果を最小限にするなど)も効果的です。

CADソフトの選択も重要です。フル機能のAutoCADは高価で要求スペックも高いですが、Jw_cadなどの無料CADソフトや、AutoCAD LTのような軽量版を使用することで、低スペックマシンでも快適に作業できます。また、クラウドベースのCADサービスも検討する価値があります。

バッテリー持続時間が短いモデルの場合は、モバイルバッテリー(USB-C PD対応の20,000mAh程度・5,000円〜)を用意しておくと、外出先での作業も安心です。最近のノートPCの多くはUSB-C経由での充電に対応しています。

最後に、定期的なメンテナンスを忘れないようにしましょう。ディスクのクリーンアップやデフラグ、不要ファイルの削除などを行うことで、長期間にわたって良好なパフォーマンスを維持できます。

これらの工夫を組み合わせることで、予算を抑えた安価なノートパソコンでも、建築CAD作業を効率的に行うことが可能になります。

長く使えるCADパソコンの条件

CAD作業用のノートパソコンを長期間にわたって快適に使い続けるためには、いくつかの重要な条件があります。初期投資がやや高くなっても、長い目で見れば結果的にコストパフォーマンスに優れた選択となるポイントを解説します。

まず第一に、高い拡張性を持つモデルを選ぶことが重要です。特にメモリスロットが2つ以上あり、最大32GBや64GBまで増設できるモデルは、将来的なソフトウェアの要求スペック上昇にも対応できます。例えば、Lenovo ThinkPadシリーズやDell Precision、HP ZBookシリーズなどのビジネス・ワークステーションモデルは、ユーザー自身でメモリやストレージを増設できる設計になっています。

ストレージも重要な要素です。M.2 SSDスロットが複数あるモデルや、2.5インチドライブベイを備えたモデルは、将来的にストレージ容量を増やす際に便利です。最近のハイエンドCADソフトやデータは容量が大きくなる傾向にあるため、拡張性は重要な条件です。

信頼性の高いビジネスクラスのモデルを選ぶことも長期使用には重要です。ThinkPad、Precision、ZBookなどのビジネス向けシリーズは、一般消費者向けモデルと比較して部品の品質が高く、堅牢性にも優れています。例えば、ThinkPadシリーズはMIL-STD-810Gという米軍の耐久性規格をクリアしており、日常的な衝撃や振動、温度変化にも強い設計になっています。

冷却システムの優れたモデルを選ぶことも長寿命化につながります。CAD作業は長時間のCPU・GPU負荷がかかるため、効率的な冷却システムを持つモデルは内部コンポーネントの劣化を防ぎ、安定した性能を維持できます。例えば、Dell Precision 7560やHP ZBook Fury G8などは、複数のヒートパイプと大型ファンによる効率的な冷却設計が特徴です。

バッテリーの交換が可能なモデルもおすすめです。ノートPCのバッテリーは使用年数とともに劣化するため、2〜3年で交換が必要になることがあります。一体型バッテリーのモデルだと修理店に出す必要がありますが、着脱式バッテリーならユーザー自身で簡単に交換できます。

長期保証やサポートが充実しているメーカーのモデルも検討価値があります。例えば、Lenovoの「プレミアサポート」やDellの「ProSupport」などのビジネス向けサポートオプションを追加すると、3〜5年間の出張修理サービスが受けられるモデルもあります。初期コストは上がりますが、長期的な安心感につながります。

最新のインターフェースを搭載したモデルも長く使えます。Thunderbolt 4やUSB 4などの高速インターフェースは、将来的な拡張性を確保する上で重要です。外付けGPUボックスの接続や高速ストレージの追加など、様々な可能性が広がります。

最後に、ある程度余裕を持ったスペックのモデルを選ぶことも大切です。現時点での必要最低限ではなく、一段上のCPUやGPU、多めのメモリを選ぶことで、ソフトウェアのアップデートや新バージョンリリースにも対応できます。例えば、現在2DCADが中心でも、Core i5以上、メモリ16GB以上、できれば簡易的な専用GPUがあるモデルを選ぶと、将来的に3DCAD作業にも対応できます。

これらの条件を考慮したモデルは初期投資が大きくなる傾向がありますが、5年以上にわたって快適に使用できることを考えると、結果的にコストパフォーマンスが高くなります。特に業務用として使用する場合は、長期的な視点での選択が重要です。

2DCADを使うノートパソコンのおすすめを総括

記事のポイントをまとめます。

  • CPU選びでは単一コア性能が重要でIntel Core i3以上やRyzen 3以上が最低ライン
  • 2DCAD用途は内蔵GPUで十分対応可能だが3DCAD用は専用GPU必須
  • メモリは最低8GB、快適な作業には16GB以上が推奨
  • ストレージはSSD搭載が必須で容量は最低256GB以上が望ましい
  • ディスプレイは作業効率に直結し15.6インチ以上が作図に適している
  • 10万円以下の安価モデルでも2DCAD用途には十分な性能
  • Lenovo ThinkPad、Dell Precision、HP ZBookなどのビジネスモデルは信頼性が高い
  • メモリ増設可能なモデルを選ぶと将来的な拡張性が確保できる
  • 中古ノートPCは高性能モデルを半額程度で入手できるコスト削減手段
  • 建築CAD用には画面サイズと解像度が特に重要な要素
  • 予算に応じて10万円以下から30万円以上まで様々な選択肢がある
  • 外部モニター接続で作業効率を大幅に向上できる
  • 定期的なメンテナンスで長期間良好なパフォーマンスを維持できる
  • 冷却システムの優れたモデルは内部部品の劣化を防ぎ長寿命化につながる
  • 拡張性の高いモデルは長期間使用でもコストパフォーマンスに優れる
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この記事を書いた人

スマホ周りのアクセサリーから、デスク環境を快適にするアイテム、キャンプで活躍するモバイルギアまで、「これは使える!」と感じたアイテムをどんどん紹介しています。

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