MENU

建築学生のノートパソコン選び|スペック・予算・機種別完全ガイド2025

建築学生にとって、ノートパソコンは学業を支える重要なツールです。建築設計やCAD作業、3Dモデリングには適切なスペックが必要となります。

この記事では、建築学生に最適なパソコン選びのポイントを紹介します。WindowsとMacどちらが適しているのか、必要なCPUやメモリのスペック、HPなどの人気メーカーの特徴、そして価格帯別のおすすめモデルまで幅広く解説します。

デスクトップとノートパソコンの違いや、長時間のバッテリー持続性も比較しているので、初めて自分専用のパソコンを購入する方にも役立ちます。

先輩たちの体験談や知恵袋からの情報も参考に、4年間の学生生活で後悔しない選択をサポートします。建築学生に必要な機能と性能を備えたノートパソコン選びの完全ガイドをお届けします。

記事のポイント

  • 建築設計に必要なノートパソコンのスペック要件
  • WindowsとMacの違いと建築ソフトの互換性
  • 予算別におすすめのノートパソコンの選択肢
  • 建築学生のライフスタイルに合わせたバッテリー性能の重要性
目次

建築学生のノートパソコン選び方

  • これだけは押さえたいスペック要件
  • 建築学生に人気のおすすめ機種
  • MacとWindowsどっちがいい?
  • Windowsパソコンの効率的な使い方
  • デスクトップとの性能比較

これだけは押さえたいスペック要件

建築学生がノートパソコンを選ぶ際に、最低限押さえておきたいスペック要件があります。

まず、CPUは第12世代以降のIntel Core i5以上、またはAMD Ryzen 5以上が望ましいです。3DCADやレンダリングソフトを快適に動かすためには、処理能力の高いCPUが必須となります。

メモリ(RAM)は16GB以上を推奨します。複数の設計ソフトを同時に開いたり、大きなデータを扱う機会が多いため、8GBでは不足する場面が出てきます。

ストレージはSSDを選び、容量は512GB以上あると安心です。建築データは容量が大きくなりがちなので、余裕を持った容量設定が必要です。

グラフィックボードは、統合型ではなく独立型のGPUを搭載したモデルを選びましょう。NVIDIA GeForce GTX 1650以上、またはRTXシリーズが望ましいです。建築系のレンダリングソフトは、GPUの性能に大きく依存します。

ディスプレイは14インチ以上、フルHD(1920×1080)以上の解像度が必要です。色再現性の高いものを選ぶと、デザインワークに有利です。

キーボードはテンキー付きだと数値入力が多い建築系の作業で便利です。また、バッテリー持続時間は最低でも6時間以上あると、長時間の授業や作業に対応できます。

重量は持ち運びを考えると2kg以下が理想的です。キャンパス内の移動や現場への持ち運びを考慮すると、軽量なモデルの方が長期的に使いやすいでしょう。

建築学生に人気のおすすめ機種

建築学生の間で人気を集めているノートパソコンをいくつかご紹介します。

Dell XPS 15は、高性能と携帯性のバランスが取れたモデルとして支持を得ています。第13世代Intel Core i7プロセッサー、16GBのRAM、GeForce RTX 4050 GPUを搭載し、15.6インチの高解像度ディスプレイで図面や3Dモデルを鮮明に表示できます。重量は約1.8kgと持ち運びにも配慮されています。

ASUS ProArt StudioBook 16は、建築学生の創造性を引き出す機能が豊富です。AMDのRyzen 9プロセッサーとNVIDIA RTX 4070グラフィックスを搭載し、16インチの4K OLEDディスプレイで色彩豊かな表現が可能です。特にダイヤル式のASUS Dialが付いており、図面編集やレンダリング作業が直感的に行えます。

Microsoft Surface Laptop Studioはペン入力に対応したタッチスクリーンを搭載し、手書きでのスケッチやメモが取りやすい点が魅力です。第12世代Intel Core i7プロセッサー、NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti GPUで、多くの建築系ソフトウェアを快適に動作させることができます。

LenovoのThinkPad P16は、モバイルワークステーションとして高い性能を持ちながら、堅牢性も兼ね備えています。第13世代Intel Core i7プロセッサー、32GBのRAM、RTX 4000シリーズGPUを搭載し、現場での使用にも耐える設計になっています。

HPのZBook Studioは、プロフェッショナル向けのワークステーションとして、高性能と携帯性を両立しています。Intel Core i9プロセッサー、NVIDIA RTX A2000グラフィックス、32GBのRAMを搭載し、建築設計に必要なソフトウェアをストレスなく動作させることができます。

これらのモデルはいずれも10万円以上の価格帯が多いですが、4年間使用することを考えると、投資する価値があります。

MacとWindowsどっちがいい?

建築学生がMacとWindowsのどちらを選ぶべきか、それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。

Macのメリットは、まず洗練されたデザインと高い品質です。MacBook ProやMacBook Airはスタイリッシュで頑丈な作りのため、持ち運びが多い学生生活に適しています。Apple Siliconチップ(M1, M2, M3シリーズ)の登場により、処理性能とバッテリー持続時間が大幅に向上しました。特にM2 ProやM3 Maxを搭載したモデルは、レンダリングなどの重い処理も快適にこなせます。

また、macOSは直感的な操作性とセキュリティの高さが魅力です。クリエイティブ分野で人気のソフトウェア(Adobe Creative Cloudなど)も最適化されています。

一方、Windowsの最大のメリットは、建築設計ソフトとの互換性です。AutoCAD、Revit、ArchiCAD、Vectorworks、SketchUpなど、建築業界で標準的に使われているソフトウェアはWindowsに最適化されていることが多いです。中にはMacに対応していないソフトもあります。

また、Windowsパソコンは価格帯が幅広く、同じスペックならMacよりも安価に購入できる場合が多いです。カスタマイズ性も高く、必要に応じて部品の交換やアップグレードがしやすい機種もあります。

建築学生としては、ソフトウェアの互換性を考えるとWindowsが無難な選択です。特に日本の建築事務所ではWindowsが主流であるため、就職後の環境にも適応しやすいでしょう。

ただし、どうしてもMacが使いたい場合は、BootcampやParallelsなどの仮想環境を利用してWindowsも動かせるようにするか、クラウドサービスを利用する方法も検討できます。最近ではM1/M2/M3チップ搭載Macでもパラレルズで仮想環境を構築できるようになっていますが、一部の高負荷ソフトでは制限があるかもしれません。

Windowsパソコンの効率的な使い方

建築学生がWindowsパソコンを効率的に使うためのポイントをいくつかご紹介します。

まず、ショートカットキーの習得は作業効率を大きく向上させます。建築系ソフトで使う頻度の高いショートカットキー(Ctrl+S、Ctrl+Z、Ctrl+C、Ctrl+Vなどの基本操作に加え、ソフト特有のショートカット)を覚えておくと、マウス操作の時間が削減できます。AutoCADであれば、L(線描画)、E(消去)、M(移動)などのコマンドを覚えておくと便利です。

次に、マルチディスプレイ環境の構築もおすすめです。ノートパソコンに外部モニターを接続すれば、メインの設計画面とプロパティや参照資料を分けて表示できます。建築関係の授業では図面とテキスト資料を同時に見る機会が多いので、作業効率が格段に上がります。寮や自宅では24インチ以上のモニターを接続すると快適です。

クラウドストレージの活用も重要です。OneDrive、Google Drive、Dropboxなどを利用して、プロジェクトデータを常にバックアップしておきましょう。建築のプロジェクトファイルは作成に時間がかかるため、データ損失のリスクを減らすことが大切です。

Windowsのタスクバーやスタートメニューをカスタマイズして、よく使うソフトやフォルダにすぐアクセスできるようにしておくのも効率アップにつながります。また、仮想デスクトップ機能(Win+Tab)を使えば、作業内容ごとに画面を切り替えられるので便利です。

ペンタブレットやスタイラスペンの活用も検討してみてください。最近のWindowsノートはタッチスクリーン対応のものも多く、手書きでのスケッチや図面への書き込みがしやすくなります。Microsoft Surface Pro、Surface Book、ASUS ProArt Studioなどはペン入力に対応しており、アイデアスケッチから詳細設計まで幅広く活用できます。

定期的なメンテナンスも忘れないでください。一時ファイルの削除、ディスクの最適化、不要なソフトのアンインストールなどを行い、パソコンの動作を快適に保ちましょう。

デスクトップとの性能比較

建築学生が悩みがちなノートパソコンとデスクトップの選択について、性能面から比較してみましょう。

処理性能面では、同価格帯で比較するとデスクトップが優位です。例えば、20万円前後のデスクトップなら、Intel Core i7-14700KやAMD Ryzen 9 7900Xなどの高性能CPUと、NVIDIA RTX 4070以上のGPUを搭載でき、大規模な3Dモデリングやレンダリング処理も快適にこなせます。同価格のノートでは、冷却や電力の制約から、若干性能が劣るCPUやGPUを搭載していることが多いです。

冷却性能はデスクトップの方が明らかに優れています。ノートPCは薄型化が進み、長時間の高負荷作業では熱暴走(サーマルスロットリング)が発生しやすくなります。これにより性能が低下することもあるため、AutoCADやRevitなどを長時間使用する場合はデスクトップの方が安定した性能を発揮します。

拡張性もデスクトップの大きな強みです。メモリやストレージの増設、グラフィックボードのアップグレードが容易で、将来的な性能向上や部品交換が可能です。一方、最近のノートPCは薄型化・軽量化のため、多くの部品が本体に固定されており、拡張性が限られています。

ディスプレイ環境については、デスクトップでは27インチ以上の大型モニターや複数モニター接続が標準的で、建築系の細かい図面作業や3Dモデリングに適しています。ノートPCでも外部モニターを接続できますが、持ち運び時には13〜16インチの画面サイズに制限されます。

一方、ノートPCの最大の利点は持ち運びができることです。キャンパス間の移動、図書館での作業、グループプロジェクトでの集まり、現場見学など、建築学生は様々な場所で作業する機会があります。また、授業中にノートを取ったり、即座に資料を参照したりする必要もあるでしょう。

価格面では、同等の性能を持つノートPCはデスクトップよりも15〜30%程度高価になりがちです。例えば、30万円のノートPCと同等の性能なら、デスクトップは20〜25万円程度で手に入ることが多いです。

建築学生としての優先度を考えると、移動が多く様々な場所で作業する必要がある場合はノートPC、自宅や寮で集中して作業することが多い場合はデスクトップ、という選択が一般的です。予算に余裕があれば、中級スペックのノートPCと自宅用の高性能デスクトップの両方を持つのが理想的かもしれません。

建築学生のノートパソコンでおすすめのパソコン

  • 予算別おすすめノートパソコン
  • HP製品の性能と使い勝手
  • 知恵袋で多い質問と回答まとめ
  • 建築学部の先輩たちの選定体験
  • 長時間作業に耐えるバッテリー比較

予算別おすすめノートパソコン

建築学生におすすめのノートパソコンを予算別にご紹介します。適切な予算配分で必要な性能を確保しましょう。

【10万円以下】 この価格帯では、基本的な設計作業や2D CADには対応できますが、高度な3Dモデリングには不向きです。

Lenovo IdeaPad Slim 370(約8万円)は、AMD Ryzen 5プロセッサー、8GBのRAM、256GBのSSDを搭載しています。軽量で携帯性に優れ、基本的な設計ソフトの動作や資料作成には十分なスペックです。

ASUS VivoBook 15(約9万円)は、第12世代Intel Core i5プロセッサー、8GBのRAM、512GBのSSDを搭載。15.6インチの大画面で図面確認がしやすく、入門用CADソフトを動かすのに適しています。

【10〜15万円】 中級者向けの価格帯で、一般的な建築設計作業には十分対応できます。

Dell Inspiron 16(約13万円)は、第13世代Intel Core i5プロセッサー、16GBのRAM、NVIDIA GeForce RTX 2050グラフィックス、512GBのSSDを搭載。16インチの大画面で設計作業が快適です。

Acer Swift X(約15万円)は、AMD Ryzen 7プロセッサー、NVIDIA GeForce RTX 3050グラフィックス、16GBのRAM、1TBのSSDを搭載。軽量ながら高性能で、3Dレンダリングもこなせる実力派です。

【15〜20万円】 本格的な3Dモデリングやレンダリング作業にも対応できる価格帯です。

MSI Katana 15(約18万円)は、第13世代Intel Core i7プロセッサー、NVIDIA GeForce RTX 4060グラフィックス、16GBのRAM、1TBのSSDを搭載。高性能なGPUで3Dレンダリングが快適です。

ASUS TUF Gaming A15(約17万円)は、AMD Ryzen 7プロセッサー、NVIDIA GeForce RTX 4050グラフィックス、16GBのRAM、512GBのSSDを搭載。建築用ソフトだけでなくゲームもこなせる万能モデルです。

【20万円以上】 プロフェッショナルレベルの作業にも対応できるハイエンドモデルです。

Lenovo ThinkPad P16(約25万円)は、第13世代Intel Core i7プロセッサー、NVIDIA RTX A2000グラフィックス、32GBのRAM、1TBのSSDを搭載。プロ用のCADソフトも快適に動作します。

Dell XPS 17(約27万円)は、第13世代Intel Core i9プロセッサー、NVIDIA GeForce RTX 4070グラフィックス、32GBのRAM、1TBのSSDを搭載。17インチの大画面と高性能で、最も要求の厳しいソフトウェアにも対応できます。

選ぶ際のポイントとして、できるだけRAMは16GB以上、GPUは独立型グラフィックスを搭載したモデルを選ぶと良いでしょう。予算に余裕がある場合は、将来的なソフトウェアの要求も考慮して一つ上のグレードを検討してみてください。

HP製品の性能と使い勝手

HPのノートパソコンは建築学生に人気のブランドの一つです。幅広い製品ラインナップと信頼性の高さが魅力です。

ZBookシリーズは、HPのプロフェッショナル向けモバイルワークステーションとして、建築設計作業に最適化されています。ZBook Studioは、第13世代Intel Core i7/i9プロセッサー、NVIDIA RTX Aシリーズグラフィックス、16〜64GBのRAMを搭載し、AutoCADやRevitなどの重い設計ソフトでも安定した性能を発揮します。特に色精度の高いディスプレイを採用しており、デザイン作業でも優れた表現が可能です。価格は20〜30万円台と高めですが、性能面での妥協がないため、本格的な3D設計に取り組む学生におすすめです。

ENVY 16は、クリエイティブワーク向けの高性能モデルとして、建築学生にも適しています。第13世代Intel Core i7プロセッサー、NVIDIA GeForce RTX 4060グラフィックス、16GBのRAM、1TBのSSDを搭載しています。16インチの高解像度ディスプレイでドローイングや設計作業が快適に行えます。価格は15〜20万円程度で、性能とコストのバランスが良いモデルです。

Pavilionシリーズは、より手頃な価格帯のモデルとして、エントリーレベルの建築学生に向いています。Pavilion 15は、Intel Core i5/i7プロセッサー、8〜16GBのRAM、NVIDIA GeForce MXシリーズグラフィックスを搭載し、基本的な2D CADソフトの動作には十分な性能を持っています。価格は8〜12万円程度で、予算を抑えつつ必要な機能を確保したいユーザーに適しています。

HPの製品の使い勝手について、キーボードは打ちやすく、特にZBookシリーズでは長時間の入力作業でも疲れにくい設計になっています。冷却システムも効率的で、高負荷作業時の発熱対策が施されているため、長時間のレンダリング作業でも安定して動作します。

HP Sure Viewと呼ばれるプライバシー保護機能を搭載したモデルもあり、カフェや図書館などの公共スペースでの作業時にも安心です。また、耐久性テストを経た設計で、キャンパス内での移動や現場への持ち運びでの衝撃にも耐える堅牢性を備えています。

サポート面では、HPの日本語サポートが充実しており、トラブル発生時の対応も迅速です。HPのウェブサイトでは、学生割引プログラムも提供されているため、購入前にチェックしておくと良いでしょう。

多くの建築学生からは、HPのノートパソコンは安定性と性能のバランスが良く、4年間の学生生活を通して使い続けられる信頼性があるという評価を得ています。

知恵袋で多い質問と回答まとめ

インターネット上の質問サイト「知恵袋」などには、建築学生のパソコン選びに関する質問が数多く寄せられています。そこで多く見られる質問と回答をまとめてみました。

「建築学科の学生ですが、MacとWindowsどちらを買うべきですか?」 この質問に対しては、ほとんどの回答者がWindowsを推奨しています。その理由として、建築系のソフトウェア(AutoCAD、Revit、ArchiCADなど)がWindowsに最適化されていることが挙げられています。特に日本の建築業界ではWindowsが主流のため、就職後の環境への適応も考慮するとWindowsが無難だという意見が多いです。ただし、Adobe系ソフトのみを使用する予定であれば、Macも選択肢に入るという回答もありました。

「建築学生にとって必要なスペックはどれくらいですか?」 この質問には、CPUは第12世代以降のIntel Core i5/i7またはAMD Ryzen 5/7以上、メモリは16GB以上、ストレージはSSD 512GB以上、そして独立したグラフィックカード(NVIDIA GeForce GTX 1650以上)が推奨されています。特に3Dレンダリングを多用する場合は、GPUの性能が重要だという回答が目立ちました。

「建築学生のパソコン予算はいくらくらい必要ですか?」 この質問には、15〜20万円が適切という回答が最も多く見られました。10万円以下のモデルでは3Dソフトの動作に支障が出る可能性があり、一方で30万円以上のハイエンドモデルは学生には過剰スペックという意見もありました。ただし、4年間使い続けることを考えると、少し余裕を持ったスペックにしておくことが推奨されています。

「ノートとデスクトップ、どちらが建築学生に向いていますか?」 この質問には、授業や図書館での使用が多い場合はノートPC、自宅での作業が中心ならデスクトップという回答が一般的です。特に設計演習や現場見学が多いカリキュラムの場合は、ノートPCの携帯性が重要視されていました。予算に余裕があれば、自宅用の高性能デスクトップと持ち運び用のノートPCの2台体制が理想的という意見もありました。

「建築学生のパソコンの寿命はどれくらいですか?」 この質問には、適切なスペックを選べば4年間の学生生活をカバーできるという回答が多いですが、3年目あたりから重いソフトの動作が遅くなることもあるとの指摘もありました。定期的なメンテナンスと不要なファイルの整理を行えば、性能低下を最小限に抑えられるというアドバイスも見られました。

これらの質問から、建築学生のパソコン選びでは、使用するソフトウェアの要件、携帯性の必要性、そして長期的な使用を見据えた予算配分が重要なポイントであることがわかります。

建築学部の先輩たちの選定体験

建築学部の先輩たちがどのようにノートパソコンを選んだのか、実際の体験談をご紹介します。これから購入を検討している方の参考になるでしょう。

東京の私立大学で建築学を専攻する田中さん(4年生)は、入学時にDell XPS 15を購入しました。「最初は予算を抑えようと考えていましたが、先輩のアドバイスで少し高めのモデルを選びました。結果的にこの選択は正解でした。3年次の設計演習では、クラスメイトの一部が低スペックのパソコンで苦労する中、私のパソコンは安定して動作していました。特に複雑な3Dレンダリングの課題では、性能差が顕著になります。」と話します。田中さんの選定ポイントは「将来の要件も見据えたスペック選び」でした。

京都の国立大学で学ぶ佐藤さん(3年生)は、ASUS ROG Zephyrus G14を使用しています。「建築とゲームのどちらも快適にこなせるモデルを探していました。このモデルはコンパクトながらRyzen 9プロセッサーとRTX 3060グラフィックスを搭載しており、どんな設計ソフトも快適に動作します。バッテリー持ちも良く、一日中キャンパスで過ごしても大丈夫です。」と評価しています。佐藤さんの選定ポイントは「多目的使用を見据えた性能とサイズのバランス」でした。

大阪の専門学校に通う鈴木さん(2年生)は、入学時に予算を抑えてHP Pavilion 15を購入しましたが、1年生の終わりに限界を感じてMSI Prestige 15にアップグレードしました。「初めは2DCADだけで十分だと思っていましたが、専門的な設計課題が増えるにつれて性能不足を実感しました。特にパース作成やレンダリングでは処理に時間がかかり過ぎて効率が落ちていました。」と話します。鈴木さんの経験から、「将来的な使用目的を見据えた選択の重要性」が伺えます。

福岡の大学で建築を学ぶ山田さん(4年生)は、MacBook Pro 16インチを使用している珍しいケースです。「Adobe製品が中心のカリキュラムだったため、Macを選びました。ただし、一部のWindows専用CADソフトを使う際には、Parallelsで仮想環境を構築しています。Macの洗練されたデザインと安定性は気に入っていますが、建築専用ソフトの互換性を考えると、クラスメイトのWindowsユーザーの方が少し有利だと感じることもあります。」と話しています。山田さんの選定ポイントは「使用ソフトウェアを考慮した上での個人的な使い勝手の重視」でした。

先輩たちの体験から、建築学生がパソコンを選ぶ際には、カリキュラムで使用するソフトウェアの要件を確認すること、将来的な使用も見据えた性能選びが重要であること、そして個人の予算と優先度のバランスを考慮することが大切だとわかります。最も多くの先輩が後悔しているのは「初めに予算を抑えすぎてしまったこと」という意見が目立ちました。

長時間作業に耐えるバッテリー比較

建築学生にとって、キャンパス内や現場での作業時にバッテリーの持続時間は重要な要素です。主要な機種のバッテリー性能を比較してみましょう。

【長時間バッテリー搭載モデル】

ASUS Zenbook 14 UMXは、公称で最大18時間のバッテリー駆動を実現しています。実際の使用では、Word/Excelなどの軽作業で約12〜14時間、CADソフトの使用でも6〜8時間の持続が期待できます。75WhのバッテリーとAMD Ryzen 7プロセッサーの省電力設計が効率的に機能しています。重量は約1.3kgと軽量で持ち運びにも適しています。

Apple MacBook Air M2は、公称で最大18時間のビデオ再生が可能とされています。建築学生の一般的な使用状況では、文書作業やWebブラウジングなら10〜12時間、Adobe系ソフトの使用でも7〜8時間の駆動が期待できます。ただし、Parallelsなどを使ってWindowsソフトを動かす場合はバッテリー消費が大きくなる点に注意が必要です。

LG Gram 16は、大画面ながら軽量(約1.2kg)で、80Whの大容量バッテリーを搭載しています。公称値は最大22時間ですが、実際の使用では軽作業で12〜14時間、画像編集やCAD作業でも6〜7時間の持続が可能です。特に画面サイズと携帯性を両立させたい場合におすすめです。

【一般的なモデルのバッテリー持続時間】

Dell XPS 15は、86Whのバッテリーを搭載し、一般的な使用で8〜10時間、CADソフトの使用で4〜5時間の持続時間を実現しています。高性能モデルながら比較的長持ちするのが特徴です。

MSI Prestige 14は、標準的な使用で7〜8時間、CADなどの高負荷作業では3〜4時間のバッテリー持続時間となっています。パフォーマンスモードと省電力モードの切り替えが容易で、状況に応じた設定が可能です。

Lenovo ThinkPad Pシリーズは、一般的な使用で6〜8時間、CADやレンダリングなどの高負荷作業では3〜4時間の持続時間です。急速充電機能を搭載しており、30分の充電で約50%まで回復する点が魅力です。

【バッテリー持続時間を延ばすコツ】

画面の明るさを調整する(50〜60%程度に下げる) バックグラウンドで動作している不要なアプリケーションを閉じる 省電力モードを活用する(Windowsの「バッテリーセーバー」など) CAD作業中はACアダプタを接続し、軽作業時にのみバッテリー駆動に切り替える 定期的にバッテリー校正を行い、パフォーマンスを維持する

バッテリー持続時間を重視する場合は、Intel ProcessorよりもAMD RyzenプロセッサーやApple Siliconを搭載したモデルの方が優れている傾向があります。また、高性能グラフィックスカードを搭載したモデルは、バッテリー消費が大きくなる点に注意が必要です。

多くの建築学生は、一日の授業やキャンパス内での作業を考慮すると、最低でも6時間以上のバッテリー持続時間があるモデルを選ぶことをおすすめします。

建築学生のノートパソコン選びを総括

記事のポイントをまとめます。

  • CPUは第12世代Intel Core i5以上またはAMD Ryzen 5以上が必要
  • メモリは16GB以上を推奨、特に3Dモデリングには必須
  • GPUは独立型グラフィックスカードが設計ソフト動作に重要
  • 建築業界ではWindowsが主流で互換性が高い
  • MacBook Proは優れた性能があるが一部ソフトは互換性に注意
  • 軽量性と堅牢性のバランスが持ち運びに重要
  • 同スペックではデスクトップの方がノートPCより15〜30%安価
  • 予算10万円以下ではCADソフトの動作に制限がある
  • 予算15〜20万円が建築学生向けの推奨価格帯
  • HPのZBookシリーズは建築設計作業に最適化されている
  • バッテリー持続時間は最低でも6時間以上あるモデルを選ぶべき
  • 知恵袋では初めに予算を抑えすぎて後悔したという意見が多い
  • マルチディスプレイ環境の構築で作業効率が向上する
  • 冷却性能はノートPCより据え置きデスクトップが優れている
  • 将来的な使用も見据えて少し上のグレードを検討すると安心
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

スマホ周りのアクセサリーから、デスク環境を快適にするアイテム、キャンプで活躍するモバイルギアまで、「これは使える!」と感じたアイテムをどんどん紹介しています。

目次